四国電力 - 古民家再生プロジェクト
木のぬくもりを後世に
Background
「古民家再生プロジェクト」は、四国電力宇和島支店の電化リフォームフェアに端を発する取り組みです。2004年当時、新築物件の80%はオール電化住宅となり、各電力会社は次なるオール電化需要としてリフォーム・マーケットにターゲットを定めていました。四国電力でも、住宅メーカー・工務店との協賛による「電化リフォームフェア」の開催を企画していました。
Challenging Tasks
四国電力各営業所がオール電化住宅を推進する中、過疎が進み経済も低迷する四国電力宇和島支店のエリアにおいては、地域特性にあった、新たな価値観を与えるプロモーションが求められていました。
Our Approach
温故知新
過疎化が進む愛媛県南予地方では、空き家問題が深刻化していました。そんな中、私たちは「古く住みづらくなった民家でも、今の時代に合わせてリフォームすることで、快適で住みやすい住空間になる」という発想のもと、「古民家再生」というコンセプトを打ち出しました。
「古民家再生」という言葉は、今でこそよく耳にするフレーズですが、この時、四国電力の電化リフォームフェアに「古民家再生プロジェクト」というタイトルをつけて実施したのが始まりです。電化によって、古民家の良さを継承しながら、快適な住空間にリフォームするという取り組みは、エレクトリックな電化のネガティブなイメージを、優しく覆すものになりました。
Our Strategy
通常「電化リフォームフェア」というと、大きな会場を借りて2日間だけ開催する展示会のようなイベントでしたが、「古民家再生プロジェクト」では、開催期間を2週間に設定し、協賛各社の工務店・建設会社の事務所を会場としました。協賛社は「古民家再生」と書かれたのぼりを掲げ、古民家リフォームの相談窓口であるシンボルとしました。集客手法も、今までは新聞折り込みチラシが主体でしたが、テレビ番組の制作を提案。「古民家再生プロジェクト」というドキュメンタリータッチの番組を放送しました。当初、協賛予定は5社でしたが、78社もの企業が参加。半年間で受注したリフォーム物件は50棟を超えました。また、電力会社が「古民家の再生」をテーマに活動することが話題となり、全国150社以上のマスメディアから取材を受けました。「古民家再生」は瞬く間に、全国に広がりました。
Project Story
「古民家再生プロジェクト」は、その後、テレビ番組「人生の楽園」でも紹介され、中部電力が白川郷を拠点に古民家再生に取り組み、中国電力が世界遺産である石見銀山に古民家再生ショールームを開設するなど、全国的な広がりを見せていきました。現在では「伝統文化と現代的生活との融合」を切り口に、多くの企業が「古民家再生」のキーワーどのもと活動しており、2013年、2015年、2017年とグッドデザイン賞の定番ともなっているようです。
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